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わかば経営会計メールマガジンVol20 金融庁報告書

2018.05.18Vol.020

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わかば経営会計メールマガジン Vol 20
2018年5月18日 金曜日
【目次】
1. 税制・経営コラム ~地域金融の課題に関する金融庁報告書~
2. 事務所通信 ~企業再生実績のご紹介(2018年3月基準)~
3. 実務書籍紹介 ~地方創生のための地域金融機関の役割~

↓↓↓バックナンバーはこちらから↓↓↓
https://wakaba-ac.jp/mailmagazine/
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◇ 1.税制・経営コラム ◇
平成30年4月11日に金融庁(金融仲介の改善に向けた検討会議)から
「地域金融の課題と競争のあり方」と題した30ページほどの報告書が発表されました。

新聞紙面でも当然取り上げられていましたので、存在自体はご存知の方も
多くいらっしゃるとは思いますが、地域に根差す中小企業、あるいはその支援者の方々
にとって知っておくべき内容だと思いますので、あらためてご紹介します。
https://www.fsa.go.jp/singi/kinyuchukai/kyousou/20180411/01.pdf

本当にざっくりまとめると、以下のような内容です(語弊があったら申し訳ありません。)。
「ヒトも減って会社も減って金利も低くて、地域金融機関は生き残りが厳しいから、
独禁法うんぬんとか言ってないで、経営統合して地域のために体力つけてね!
(金融庁は統合審査やモニタリング通じで後押しするから)」

報道で目立ったのは、P.10に記載している「地域における競争可能性」のところかと思います。
2016年3月末のデータで本業(貸出、手数料)での収益>営業経費となるか
(すなわち、本業で黒字を計上できるか)を都道府県ごとに分析すると、
・2行での競争は困難だが、1行単独であれば存続可能な都道府県が13
:北海道、岩手、山形、福島、新潟、茨城、長野、東京、滋賀、京都、兵庫、愛媛、熊本
・1行単独(県内シェア100%)でも不採算の都道府県が23
:青森、秋田、栃木、群馬、山梨、富山、石川、福井、岐阜、三重、奈良、和歌山、
岡山、鳥取、島根、山口、香川、徳島、高知、大分、佐賀、長崎、宮崎

あわせて36都道府県なので、ほとんどですね。。。
当然、弊社でご支援している企業が所在する都道府県も数多く含まれています。

実務家の立場で感じることを少しだけ述べさせていただくとすると、
・企業側は「情報」「ネットワーク」「人材」など地域金融機関の価値を認識し、
積極的に活用して事業の発展につなげる意識を持つ
・金融機関側は企業の潜在顕在ニーズを「事業化」し、しっかり本業収益につなげる
ということが一番必要かな、と思います。

◇ 2.事務所通信 ◇
弊社では主要業務の一つである企業再生業務について、
毎年3月時点で実績(件数や業種、規模の分布)を集計しています。
2018年3月末時点(創業から約4年半)の実績がまとまりましたので、
サマリーをご報告させていただきます。
(地方での案件も大変多いので、ある意味「地方創生」の一種かと思います。)

□件数
総計120件(仕掛中の案件を含む、以下同様)、
うち、財務調査件数66件、事業調査件数64件、事業計画策定件数110件、
財務関係の業務とビジネス面の調査・改善業務がほぼ同数の結果となりました。

□規模の内訳
年商3億未満が44件(36%)、年商3億~10億が52件(43%)、
年商10億超が24件(20%)とあまり偏りのない結果です。

□業種の内訳
製造業が最も多く43件(34%)、次いでサービス業22件・卸売業16件、
小売業11件、建設業7件、運送業7件、印刷業7件、その他7件、
弊社は特定の業種の再生を得意(不得意)にしている会社ではないので、
こちらも「規模」と同じくばらけた集計結果となっています。
昨年度の集計結果は下記のバックナンバーをご覧ください。
http://wakaba-ac.jp/mmbacknumber/vol920170621.html

◇ 3.実務書籍紹介 ◇
メールマガジンの文脈にそって、地方創生と地域金融機関に関する書籍を紹介します。

「地方創生のための地域金融機関の役割」
(家森信善著、中央経済社(2018年3月))
https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/18020009.html

独立行政法人経済産業研究所において著者(神戸大学経済経営研究所教授)
が中心となって行った調査の結果をまとめた書籍です。
中小企業の生産性を向上させ地方創生を実現するための地域金融機関の役割について、
全国の地域金融機関の支店長約3000人へのアンケートによる分析をもとに課題を抽出し、
人事評価改革や外部専門家との連携強化などの提言をしています。

支店長3000人へのアンケートというのはあまり見たことがありませんし、
質問内容も多岐にわたっていますので、興味深い結果がいくつもありました。
・融資判断時に「非常に重視する」の割合が一番高いのは「経営者の資質・やる気」(P.54)
・「専門家の紹介が取引先の経営改善につながった」割合は96%(P.61)
・条件変更中のメイン先に「経営改善支援を行っている割合が10%未満」の支店が37%(P.73)
・企業支援に際し「企業の顧問税理士」が再建の「障害」になったことがある割合が40%(P.74)
・「税務以外」の面で税理士・会計士が中小企業経営に効果的な助言ができている割合は
「20~40%」の選択肢が最も多く37%(P.77)

すなわち、リスケ中の債権者への支援はまだ行き届いておらず、
専門家の紹介に経営改善効果は見込まれるものの、税務以外の支援においては、
税理士・会計士の力はまだまだ不足している、という結果かと。
われわれの業界の課題と肝に命じ、今後とも研鑽に努めたいと思います。

文責:わかば経営会計 代表 大磯毅(大阪事務所)

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