公認会計士にDX推進のポイントを聞いてみた!
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昨今のIT技術進歩により企業を取り巻く経営環境はめまぐるしく変化していきます。この点、事業を安定的に継続するためにはそのような変化へ柔軟に対応することが必須となってきますが、中小企業では大企業のように社内でDX部門を設置し推進することは困難なケースが多いです。そこで、わかば経営会計ではサービスラインナップの1つとして中小企業向けにITツールを活用した業務改善支援を実施しています。
今回は、DX推進プロジェクトのリーダーである東京事務所の眞喜屋利一(まきやとしひと)さんに、中小企業におけるDX推進のポイントを聞いてみました!
~まずは簡単に自己紹介をお願いします。
高校生まで地元・沖縄ですごしたのち、仙台の大学へ進学しました。その後東日本大震災から逃れるように、2011年2月から東京の大手監査法人で約10年過ごしました。上司の指示に素直に従うタイプではなかったため万人受けしませんでしたが、運よく懐の深いメンターの方々に出会えて、士(サムライ)としても人間としても成長でき、とても充実した期間でした。ただ、監査法人でパートナーを目指すキャリアへのギャップがあり、地元・沖縄をはじめとした地方への貢献・中小企業へ貢献したいという軸足でわかば経営会計の門を叩きました。
~DX推進プロジェクトは眞喜屋さんが中心となり発足したプロジェクトチームですが、きっかけは何だったのでしょうか。
日々のクライアントとの対話の中の、業務改善ができないかという相談の一つに、ツール導入で解決できる場面がありました。私自身がガジェット好き、新しい物好きでAI-OCR、RPAやBIツールなどを触った経験があったのが解決のきっかけでした。何気ない日常の一幕でしたが、SaaSの普及とノーコード・ローコードとプログラミングのハードルが下がってきて、士業として最低限のプログラミング知識が必要なのではないかという危機感が社内でも共有され、プロジェクトが発足しました。私自身も何のプログラミング経験もありませんが、ChatGPTを使ってマクロを書いてみるところから地道に挑戦しているところです。
―――イメージとしては、会計士が新たなシステムを構築するということでしょうか?
いえいえ、そんな大それたことは考えていません。本業のシステム会社さんに怒られてしまいます笑。私達のメイン業務の再生支援や成長支援の現場では、経営の見える化など、○○の見える化といったテーマが非常に良く上がります。月次決算を早めたい、管理会計を構築したい、POSを手軽に分析したいという場面に出くわしたときに、必ずと言ってよいほど人手不足の壁にぶち当たります。その際の、解決メニューの1つとしてDXを提案できるようになりたい、ということです。予算が合えばシステム会社を紹介することでも良いですが、まずは簡単なRPAやBIツールを実装して利便性を体感し、人の採用や努力に依存しない、DXの一歩目となる意識改革を促したいというのが今の思いです。
―――あえて、わかば経営会計でやる事の意味は?
私達の再生支援・成長支援中のお客様であれば、外部環境や内部環境、ビジネスリスク、従業員の人数や年齢構成、ボトルネックがどこか、どう優先順位をつけるかといった経営課題を社長と共有している場合がほとんどです。私たちにとってもシステムを売ることが目的ではなく、経営改善する、より成長してもらうことが目的なので、極論すれば何のDXもしない、DXが一つのメニューでしかないことも、システム会社と違う強みではないかと思います。
FAXでの受発注といったアナログ業務でも何十年と積み重ねてきた業務の背景には、それなりの理由が隠されていることが多いため、その歴史に対するリスペクトも大切にしたいという思いもあります。つまるところ、経営者のそばに立って最善策を考えられるという私たちの強みは、DXの場面でも変わりません。
―――そのなかでも”中小企業ならでは”のポイントはどのような点でしょうか?
やはり、失敗経験が一つの重荷になっていることだと思います。DXについて一度も考えたことのない経営者はあまりいません。過去の経験で失敗した原因を追究できていないことも多く、そのしこりを揉みほぐしていくところから始まります。また、高齢化している従業員ではできないよ、と端からあきらめている場合も少なくないので、どう一歩目を踏み出せるかが非常にポイントだと思います。逆に言えば、一歩目を歩き出せばその後のスピードはあまりに早く、逆にこちらがブレーキを踏みながら慎重に進めることが必要になるといったエピソードは、中小企業の現場ではあるあるなのかもしれません。
~これからどんなわかばにしていきたいですか?
新たなことにチャレンジしながらも、代表や初期メンバーが積み重ねてきたお客様からの信頼を崩さぬよう、その上にまた一つ一つ信頼を積み重ねていきたいです。私たちの会計士・税理士の本業・コアな部分は変わりませんが、お客様の声からも期待される範囲の広がりを感じるので、“何でも屋になろう”という会社理念に従って、できることを少しずつ広げていきたいです。最近は、これまでいなかったタイプの方が入社してまた違った目線が入り、少しばかりの成長痛を楽しみながら、業務範囲の広がりや質の向上を実感しており、これからもっと成長して行くぞという機運の高まりを感じています。
~どのような人と一緒に働きたいか、応募を考えている方へ最後に一言お願いします!
長所と短所があるでこぼこした人、人間臭い人と働きたいです。当然ながら長期的には、短所は改善することが求められますが、短所があるからこそ会社や経営者の弱みにより添え、長所が現状を打破する力になると思います。いかにも専門家らしい、客観的で正論を理路整然と話すだけでは人はついて来ないですし、正論に気づいていない経営者はあまりいません。○○さんの言うことならやってみよう!を引き出せる、熱い気持ちと愛のある方と働きたいです。監査法人には、杓子定規な働き方改革やリモートワークの増加でクライアントとの距離がますます遠くなり、○○がやりたい!と明確に答えられなくとも、言葉に表せない、不完全燃焼で鬱屈とした思いを抱える若手が増えています。そんな方には是非わかばに入社し、情熱を傾ける先を見つけ、利他の喜びを知り、士業として知識・経験を積みながら、何でも屋としてチャンレンジし、人間的な成長を実感してほしいと思います。
(写真は眞喜屋が担当をさせて頂いているお客様との一枚です!BBQをご一緒させていただきました_2023/8)